スポーツ整形外科 治療

診療・各部門

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 体の部位に特化した、当院整形外科の専門班:①背骨(首から腰)、②上肢(肘・手・指)、③肩、④下肢・関節鏡(膝から足)、⑤股関節、と連携して効率的かつ最適な治療の提供を行っています。

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膝関節

● 前十字靭帯(ACL)断裂

ACL本来の解剖学的構造を模倣し、より良い機能回復を目指しています。

2−3重束ACL再建術:ハムストリング(膝を曲げる筋肉)を使用

長方形骨孔ACL再建術: 膝蓋腱(膝の前にある腱)、大腿四頭筋腱(太ももの前の腱)を使用

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● 後十字靭帯(PCL)断裂

特殊なレントゲン計測により、手術が必要となる不安定性が残存しているかを判断し、より良い治療を検討しています。

保存的療法:多くの症例が装具治療でスポーツ復帰可能

PCL再建術:ハムストリングや膝蓋腱を使用

●複合靭帯断裂

早期手術は膝が硬くなる(拘縮)などの合併症の可能性があり、まずは装具での保存治療による靭帯の治癒を待って、可動域の改善した受賞後3ヶ月以降に、残った断裂靭帯の再建術を行う、待機手術が一般的です。
しかし、保存療法がうまくいかないことがMRIで予想される症例には、早期の修復手術(受傷後10~14日以内)を行なっています。タイムリミットがありますので、すぐに相談してください。

●半月板断裂

縫合術
切除術
半月板再建術(屈筋腱を用いた)

30-40年前から「save the meniscus(半月板温存)」のスローガンのもと、修復術を積極的に行なっています。しかし、加齢による変性により修復不可能な場合も少なくなく、切除術、足の向きを変える膝周囲骨きり術や、同意が得られた場合のみ半月板再建術などを行なっています。

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●離断性骨軟骨炎

骨穿孔
整復固定+骨移植
自家骨軟骨移植
培養軟骨細胞移植

基本的に、成長期の患者さんは自然治癒します。治癒しない患者さんに対して、様々な治療法を駆使して、最良の関節面温存を行なっています。

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●膝蓋骨脱臼

内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)再建

膝蓋骨の脱臼に対して、ある種のシートベルトとして働く靭帯を曲げる腱(ハムストリング筋腱)を使って再建します。

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肩関節

  • 肩のスポーツ障害の代表的な傷病は、外傷性肩不安定症(肩反復性脱臼・亜脱臼など)と繰り返されるオーバーハンド動作により発症した投球障害肩・スポーツ傷害肩です。
  • 外傷性肩不安定症
    反復性に(亜)脱臼してしまう原因病変を精査決定し、手術療法を行います。通常は下関節上腕靭帯-関節唇複合体が破綻し、安定性を失っていることが多く、これを関節鏡下に修復します。
  • 投球障害肩・スポーツ傷害肩
    投球障害肩・スポーツ傷害肩で最も多いのは肩後方の筋肉の緊張が慢性的に強くなってしまっている後方タイトネスです。保存的に筋緊張を和らげる治療をおこないます。しかしながら、後方タイトネスの状態で投球を続けていた場合、組織損傷を合併してしまうため、保存療法では症状が改善しない場合があります。その場合は手術療法が必要となります。それぞれの病変に対して関節鏡下手術で処置を行います。

脊椎(頸部から腰部)

  • 代表的な傷病は、繰り返される負荷や姿勢不良で生じる急性腰痛症や、成長期に生じる腰椎分離症などです。
  • 腰椎分離症(ようついぶんりしょう)(以下分離症)は、椎弓(ついきゅう)と呼ばれる腰椎の後方部分が分離した状態です。疲労骨折が原因と考えられ、成長期のスポーツ選手に多発します。
    早期に発見できれば、コルセットで治すことが可能です、一方で、分離が進行すると、治療が難しくなっていく特徴を持っています。

肘・手・指

  • スポーツ障害やスポーツ中の外傷に対して、数多くの治療を行っています。
  • 手・肘などに対する関節鏡視下手術も導入し、小侵襲手術によりリハビリテーション期間が短縮され、早期社会復帰・早期スポーツ復帰が可能です。(関節鏡視下手術)
  • 疾患は野球肘に代表される肘の関節ネズミ、離断性骨軟骨炎、肘靭帯損傷、神経麻痺、手関節TFCC損傷、手舟状骨骨折、手指骨折、手指靭帯損傷など

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股関節

  • 股関節での代表的疾患は、大腿骨頸部と寛骨臼縁が衝突する股関節インピンジメント(FAI)、股関節唇損傷、恥骨結合炎などの器質的疾患を伴うものや、明らかな器質的原因がなく痛みをきたす鼠径部痛症候群等が挙げられます。
  • まず保存療法として、可動域訓練、拘縮のある股関節周囲筋のマッサージ、内腹斜筋、腹横筋等の機能訓練を行い、体幹から下肢の機能改善を図ることで、半数以上の症例が競技復帰可能となります。
  • しかし、股関節インピンジメント、股関節唇損傷に関しては保存加療無効であれば、病態に応じた手術加療が検討されることもあります。

下肢 (膝〜足)

  • 下肢のスポーツ障害・外傷に対する治療を行っています。
  • 外傷の多くは、保存療法が難しい場合、手術が必要になります。使いすぎなどの繰り返される負荷で生じる障害は、投薬、ストレッチや姿勢改善などの保存療法中心で治癒します。

外傷で生じる代表疾患

膝 : 前十字靭帯損傷・半月板損傷・軟骨損傷・膝離断性骨軟骨炎・膝蓋骨脱臼・骨折
足 : 足関節靭帯損傷・骨軟骨障害・腓骨筋腱脱臼・アキレス腱断裂・骨折などが挙げられます。

使いすぎや姿勢・柔軟性不良などで生じる代表疾患

膝 : オスグッド・ジャンパーズ膝・腸脛靭帯炎・鵞足炎・滑膜炎など
足 : フットボーラーズアンクル・三角骨障害・ジョーンズ骨折・外脛骨障害・足底腱膜炎・シンスプリントなどが挙げられます。

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