診療・各部門
~はじめに~
当院では、昭和40年に大阪労災病院から脊髄損傷のリハビリテーションを学んだことをきっかけに脊髄損傷のリハビリテーション治療に力を入れてきました。整形外科では急性期脊髄損傷の手術治療を行なっており、リハビリテーション科では他院で急性期治療を終えた患者さんのリハビリテーション入院を受け入れています。慢性期の患者さんの装具治療や褥瘡治療、泌尿器科治療、痙縮治療も行うことで、さまざまな時期の脊髄損傷患者さんにチームとして対応できる体制を構築しました。また、全国から受診して頂いた患者さんの治療実績を元に日々治療内容を改善しています。
当院における脊髄損傷治療についてリハビリテーションを中心にまとめました。お困りの患者さんに本ホームページを参考にして頂くとともに、当院の受診をご検討いただければと考えております。
回復期リハビリテーション病棟とは
チーム医療でスムーズな社会復帰をサポート
急性期治療が一段落した後のリハビリテーションを、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医療ソーシャルワーカーなどがチームを組んで行なう病棟です。 患者さん1人1人の今後の目標をチーム合同カンファレンスにより計画し、社会・在宅復帰を目指したリハビリテーションを行ないます。一般病棟のリハビリテーションでは、実施することが難しい、実生活に即したリハビリテーションを行うことにより、社会・在宅復帰の促進を目指しています。

整形外科
脊髄損傷の主な原因はこの30年間で、『若年者の交通事故や高エネルギー外傷』から『高齢者の転倒による外傷』へと変わりました。高齢者では頸髄レベルの不全麻痺が多く、若年者では胸髄レベルの完全麻痺が多いと報告されています。年齢や麻痺の部位・程度によって、治療方法やゴール設定が変わってきます。
当院整形外科には脊椎脊髄病指導医が複数在籍し、可能な限り急性期の緊急手術に対応するとともに、診断や治療が遅れた症例についても適切な治療を選択することが可能です。装具療法や自宅退院や施設入所へのサポートをリハビリスタッフや看護師、ソーシャルワーカー等と適切に行います。最近は、慢性期の筋緊張亢進に対する痙縮治療にも力を入れており、ボツリヌス治療やITB療法を実施することが可能です。
泌尿器科
泌尿器科では、脊髄損傷の泌尿器障害等の合併症について診療しております。
脊髄損傷の泌尿器障害は、不全損傷の一部の方以外ほぼ全員の方に排尿障害がおこります。
排尿障害には、膀胱にためることの障害と出すことの障害がありますが、脊髄損傷の場合には、その両方が合併することが多くあります。
膀胱にためることに障害がおきると、尿失禁がおこります。尿を出すことに障害が起こると、多くの場合は自分の力では尿を出すことができません。
その対処法について排尿機能検査等で膀胱の状態をよく把握したうえで、適切な排尿方法について管理しております。
星ヶ丘医療センターにおける脊髄損傷の泌尿器障害については長年の実績があります。泌尿器に関する合併症について安心して当診療科にお任せください。
皮膚・排泄ケア認定看護師
脊髄を損傷されますと、人により異なりますが、運動機能障害や知覚神経麻痺、膀胱直腸障害など様々な症状が出現します。看護ケアでは、褥瘡(一般的には床ずれとも言われている)の予防や排泄のケアに難渋されるケースを多く体験しました。私たち皮膚・排泄ケア認定看護師は、皮膚や排泄について専門的な知識を学び、資格を取得して院内で活動しています。当院には皮膚・排泄ケア認定看護師が在籍しており、脊髄損傷の患者さんの褥瘡予防の教育や排泄ケアの相談に応じています。入院中の生活から退院された後も皮膚や排泄ケアの相談に応じることが可能です。お気軽に声をかけてください。
リハビリテーション
脊髄損傷患者さんの在宅復帰・社会復帰を目標に掲げ、理学療法と作業療法を提供しています。 まだ身体の状態が不安定な急性期では、呼吸状態や血圧等の管理を行いながら離床を進めていきます。その後、身体の状態が安定した回復期では、主として日常生活の基礎となる動作(寝返り・起き上がり・プッシュアップ・移乗・車いす駆動など)に加え、身の回り動作(食事・着替え・トイレ動作・入浴など)の練習を行います。
日常生活動作に必要な身体能力の獲得、自助具の作成・選定や生活環境の調整を行い、自分でできることを増やすお手伝いをします。
充実した在宅生活や社会生活へ向けて、ご自宅への訪問、車いすや装具等の選定、院外練習なども行っていきます。患者さんの状態に合わせ、自宅を改修する必要のある場合は改修のアドバイスを行い、実際に自宅での動作練習、外出練習、職業復帰訓練なども行っています。
脊髄損傷教室
身体的な練習だけでなく、医療スタッフによる教室を開催し、脊髄損傷の症状に対する知識や理解を深める機会を設けています。
院外練習
当リハビリテーション部では入院患者さんの状況に応じて、自宅・社会復帰を目的とした患者さんに対して、院内では困難な公共交通機関(バス・電車)の利用や、市街地での移動方法などの練習を行っています。
リハビリスタッフやご家族とともに病院周辺の施設へ行き、練習を行います。主な内容としては、バス・電車の乗り降り、市街地の段差などが多くある場所での歩行・車いす駆動、施設内の車いすを使用してのエスカレーターの乗り降り練習などです。
福祉用具業者・車いす業者
当院には福祉用具業者と車いす業者が定期的に来院しており、福祉用具や住宅改修の相談、車いすのメンテナンス等も実施しています。
大阪頸髄損傷者連絡会
当院を退院された脊髄損傷者の方々と情報交換する場や、大阪頸髄損傷者連絡会との交流会を年数回程度開催しており、退院した後の生活や社会復帰についての情報が得られやすいのも当院の特徴です。
医療ソーシャルワーカー
私たち医療ソーシャルワーカーは、社会福祉の視点から患者さん・ご家族の生活支援に関する相談を担当しています。
脊髄損傷の患者さんは、受傷の状況、損傷の部位、退院後の生活環境によって、様々な福祉制度の利用が必要になる場合があります。
また、受傷前の個々の生活状況を踏まえ、院内スタッフとチームを組み、地域の関係機関と連携を図りながら、安心して自宅で生活できるよう支援させていただきます。
例えば・・・
住宅改修、車椅子などの補装具・ベッドなどの日常生活用具の購入、介護保険・身体障害者手帳・障害年金・労災保険・労災年金・学校での事故に関する申請・請求の手続き等々の情報提供と調整を状況に応じてさせていただきます。
福祉相談室(当院の福祉相談室紹介サイトへリンクします)