診療・各部門
当院には様々な分野のエキスパートナースが活躍しています(2023.1現在)
特定行為研修修了者 | 13名 |
当院では看護部長直轄にAPN(Advanced Practice Nurse)センターが設置され、認定看護師(13分野20名)の活動を支えています。APNセンターでは2ヶ月に1回情報交換の場を設け、年間の活動計画や分野ごとの困難事例の共有をするなど、各分野が連携をとることで、実践現場でより質の高い看護が提供できるよう心がけています。また、地域医療支援病院として住民の方が安心して生活を送れるように、地域の医療・介護を支える従事者の方々と連携を図っています。お互いが持つ情報や知識や技術を共有できるよう、出前研修、同行訪問、事例検討会などを行っています。
がん化学療法看護認定看護師
がん化学療法はがん治療の一つです。私は、がん化学療法看護認定看護師として、患者さんが安心して治療が受けられるように他職種と協働しながら、安全な投与管理の実施、副作用の予防や対処のケア及び、そのケア方法を患者さんやご家族に提供しています。
また、患者さんやご家族の意向を確認しながら意思決定支援を行っています。院内のスタッフに対しても、確実で安全な化学療法看護が実施できるように教育を行っています。
がん性疼痛看護認定看護師
がんの痛みは、単にからだの痛みだけでなく、がんになったことで気持ちや日常生活にも影響がでて、患者さんやご家族にとって辛い痛みとなります。そのため、外来から医師や看護師と協働し苦痛を和らげる支援をしています。そして、在宅療養中の患者さんに対しても、地域の訪問看護師と自宅に同行し安心して療養できるように連携しています。また、患者さんの痛みに寄り添い、速やかな症状緩和ができるスタッフ教育も行っています。
感染管理認定看護師
感染管理の役割は、病院内の患者さんやご家族とすべての職員を感染から守ることです。そのため、感染に関する問題に対して組織横断的に働きかけ、感染対策の質が向上するように努めています。具体的な方法として、感染対策研修を企画・運営や、最新の知見を取り入れた感染対策マニュアルを作成しています。また、感染対策に関する相談をうけ、全職員が効果的な感染対策行動がとれることを目標に活動を行っています。
救急看護認定看護師
救急外来での実践・指導・相談はもちろん、病棟において患者さんの状態の変化に気づき、フィジカルアセスメントを実施し、患者さんの急変を防ぐような看護ができるよう看護師への指導を行っています。集合研修ではラダーⅠを対象に一次救命処置の技術指導、ラダーⅡを対象に気道・呼吸・意識レベルの系統立てた観察方法の指導・研修を行い、病棟で活かせる知識と技術の習得を目指しています。
集中ケア認定看護師
集中ケアは、呼吸・循環・代謝などに障害をもつ、急性かつ重篤な状態の患者さんに対して看護を実践し、スタッフへの指導やサポートを行っています。病態の変化をアセスメントし、重篤化回避や廃用症候群などの二次的合併症の予防、早期に離床し社会復帰できるように根拠に基づいた支援を提供することを心がけています。そして呼吸に問題を抱えた患者さんに対するケアの相談活動(呼吸療法サポートチーム)も行っています。
糖尿病看護認定看護師
糖尿病は生涯にわたって付き合っていかなければならない病気です。糖尿病看護認定看護師として、小児から働き盛りの壮年期、高齢の方など様々な患者さんに対して、日常生活と密接に関係した食事・運動・薬物療法を生活にうまく取り入れながら、その人らしく過ごせるよう一緒に考え支援していきます。また、糖尿病をもちながら手術など他疾患の治療のための血糖管理のサポート、合併症予防のためのフットケアや療養指導なども行っています。
認知症看護認定看護師
認知症看護認定看護師として、患者さんの視点に立って関わることを大切にしています。入院された患者さんに対して、入院・治療による認知症症状の悪化を予防するため、適切な環境調整やコミュニケーション方法等について、医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリと連携しサポートを行っています。また、認知症患者さんが可能な限り住み慣れた地域で生活が継続できるように、認知症についての研修を院内・院外で行っています。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
私たちは、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)によって引き起こされた様々な心身の機能低下を予防し、後遺症を抱える患者さんが日常生活の中でQOL(生活の質)を高めるための看護を行います。また、入院中は、患者さんの生活の再構築に向けた看護が提供できるよう、看護職員への指導・教育を行っています。市民の方々には「脳卒中市民公開講座」や「きらり健康教室」を開催し、脳卒中発症時の対応や脳卒中予防を啓発しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
創傷、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)、排泄に関するケアを専門とし、院内だけでなく地域でも活動しています。主な活動内容①褥瘡対策②手術後離開創・弱い皮膚へのケア)③ストーマ造設に伴うケア(精神的ケア、セルフケア指導、皮膚障害予防・治療ケア、ストーマ外来での継続看護)④膀胱機能障害の自己導尿指導、排泄物による皮膚障害予防・治療ケア、洗腸指導⑤地域連携:地域の医療・介護従事者からの相談対応(利用者さんのケア相談、ご自宅へ同行訪問、出前講座)
摂食・嚥下障害看護認定看護師
食べることは、楽しみの一つであり、生きる意欲にもつながります。嚥下機能を障害されると口から食べられることができなくなり、経管栄養や胃瘻を余儀なくされる方もいます。今ある能力を見つけ出し、食べられるようになるためにはどうしていくかを考えていきたいと思っています。一人でも多くの人を経口摂取して頂けるように、そして最期まで口から食べ続けていただけるようにサポートしていきたいと思います。
がん放射線療法看護認定看護師
放射線治療は身体の機能を保ちながら高齢者でもおこなえる治療です。病気を治すだけでなく症状緩和を目的でおこなうこともあります。放射線治療はどのような治療なのかイメージがつきにくいですが、治療の内容や副作用についてわかりやすく説明し、副作用症状を抑えることができるように皮膚のケアや日常生活の注意点をわかりやすく説明しています。そして放射線治療が最後まで不安なく無事に終了できるようお手伝いしていきます。
手術看護認定看護師
手術看護認定看護師の役割は、手術を受ける患者やご家族が安全で安心して手術を受けることが出来るよう手術侵襲の低滅と回復促進を目指し、周術期を通じて専門的な看護を実践することです。
手術に対する意志決定支援や手術合併症予防に関する体温管理、体位固定、手術に関する医療事故防止、手術創感染に関するデータ収集と分析など、最新の知識や技術、質の高い看護を提供出来るよう活動を行っています。また、手術において多職種の専門性が発揮出来るようチームマネジメント実践や、外来や病棟と連携を図り周術期看護の充実を目指しています。
慢性呼吸器疾患看護認定看護師
慢性呼吸器疾患とは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息など気道や肺に慢性の症状が持続する疾患です。
慢性疾患は、安定期と増悪期を繰り返し徐々に終末期を迎えることが多くあります。そのため、慢性呼吸器疾患のケアでは急性増悪予防のためのセルフケア支援が重要になります。急性増悪予防の為に、一人一人の患者さんの生活状況に応じたセルフマネジメントを行っていきます。患者さんやご家族の気持ちに寄り添いながら、その人らしく日常生活が送れるように、他職種と協同し、患者さんの療養生活を支援していきます。
当院には特定行為研修を修了した認定看護師が3名在籍しており、組織横断的に活動しています。特定行為とは診療の補助であり、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる38行為のことを言います。
実践している主な行為には、「局所陰圧閉鎖療法」や「PICC挿入」「抗菌薬の選択」「人工呼吸器の離脱」などがあります。研修を修了した看護師が、タイムリーに行為を行うことで、患者さんの重篤化の予防や、ケアの質向上につながっています。