診療・各部門
ご挨拶
当院の「地域の皆様に心のこもった良質な医療を提供する」という理念の下に、薬剤師が一丸となって医薬品の適正使用を推進しています。特に、病棟業務およびチーム医療を通して、患者さんと深く関わることで安心、安全かつ効果的な薬物療法をサポートしています。また、積極的な医師への処方提案により、プレアボイド報告およびポリファーマシー対策を推進しています。
当薬剤部では日常業務、教育、臨床研究および社会貢献を4本柱とし、ファーマシスト・サイエンティストとしての人材育成とキャリアアップを目指しています。この最善の努力こそが、地域の患者さんに最良の薬物療法を提供することにつながると考えています。
薬剤部長 佐原 敏之
【スタッフ】
部長1名、副部長1名、主任6名、薬剤師18名、事務員1名(2021年4月現在)
【施設認定】
プレアボイド報告施設認定(2005年)
薬学生実務実習受入施設(2010年)
[薬剤部スタッフの認定資格] (2024年7月現在)
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師
日本薬剤師研修センター生涯学習指導薬剤師
日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師
日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師
日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師
日本薬剤師研修センター・日本生薬学会 漢方薬・生薬認定薬剤師
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師
日本緩和医療薬学会 緩和医療暫定指導薬剤師
日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム専門療法士
日本臨床栄養協会NR・サプリメントアドバイザー
日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師
日本高血圧学会・日本循環器予防学会・日本動脈硬化学会・日本心臓病学会認定 循環器病予防療養指導士
日本臨床救急医学会 救急専門薬剤師
日本脳卒中学会 脳卒中相談士
日本アンチ・ドーピング機構公認スポーツファーマシスト
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師
大阪DMAT隊員
薬剤師生涯学習達成度試験合格
記事掲載
ファーマスコープ2020年
https://medical.mt-pharma.co.jp/articles/phs/pdf/phs_vol32/C_pharmacy2_vol32.pdf
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薬剤部の業務
1. 調剤業務
2. 製剤業務
3. 医薬品情報業務
4. 病棟関連業務
5. 薬品管理業務
6. 治験業務
7. チーム医療
8. 新人教育
9. 学術研究実績
10. 学生実習
11. その他の活動
12. 当院の処方箋を応需される保険調剤薬局の先生へ
13. 薬学生へ
1.調剤業務
主に入院患者さんの内服薬・外用薬・注射薬の調剤を行っています。外来処方せんのほとんどは院外処方となりますが、救急外来のお薬は院内で調剤しています。調剤室では、薬剤の取り違え防止のため様々な工夫を行い、医療安全に努めています。注射薬は1回施行毎に調剤し、病棟に払い出しています。
1階の窓口では、外来患者さんに、検査薬、消毒薬、血糖測定紙などを薬剤師がお渡ししています。また、手術予定患者さんの服用中のお薬の鑑別を行い、事前に中止すべき薬剤を確認し、リスク軽減に努めています。
2.製剤業務
[無菌調製]
中心静脈栄養剤や一部の持続注入型(PCA)ポンプ、眼科用薬剤の混合調製を薬剤部内の無菌室で行い、院内感染防止に努めています。各薬剤の配合変化や相互作用などを確認し、調製後に監査を行い各病棟に払い出しています。
また、必要に応じ、在宅療養中の患者さんに対しても注射剤を混合調製しています。
[抗がん剤の調製]
外来・入院を問わず、患者さんの化学療法個人計画表(レジメン)に基づき、購入・調剤・監査された薬剤を薬剤部内の安全キャビネットで混合調製後、監査を行い、外来化学療法室や各病棟に搬送しています。これらの業務を効率的に行い、患者さんをお待たせすることなく、抗がん剤が予定通り安全に投与されるよう努めています。
3.医薬品情報業務
医薬品情報室は、有効性、安全性、相互作用など医薬品に関する様々な情報を整理収集、加工し、必要とされる情報を発信、提供しています。添付文書や論文集、医学雑誌、速報誌、専門書だけでなく、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構、その他国内外のデータベースなども利用して最新の情報を入手することを心がけています。
重要な情報については院内メールなどを駆使して迅速な周知をはかり、重大な副作用が院内で発生した場合には厚生労働省に報告しています。
また、お薬の説明の際に使用する資料の作成や、医師がミスなく安全に処方できるための処方システムの工夫やメンテナンスを行っています。
さらに、病棟担当薬剤師の後方支援的役割として、薬剤師が薬学的管理を行って患者さんの不利益を回避した場合には日本病院薬剤師会にプレアボイド報告を行っています。
院内情報誌として「THE くすり」、「Information from Pharmacy」を発行しています。
>>>プレアボイド報告についての詳細はこちらをご覧ください。
4.病棟関連業務
各病棟に担当薬剤師を専任配置し、主治医の指示のもと、薬剤管理指導業務を行っています。入院患者さんの持参薬を含めた薬歴を記録し、飲みあわせや副作用にも注意を払って、患者さんに説明を行い、医薬品の適正使用や副作用の防止に努めています。また、SCU(脳卒中治療室)・HCU(高度治療室)・緩和病棟といった特に注意の必要な病棟においても、医療チームの一員として回診やカンファレンスに参加し、患者さんの状態を把握した上で、薬学的ケアを行っています。
さらに、病棟では、入院患者さんの持参薬の確認・入力や処方提案、病棟配置薬の適正な保管・管理、病棟で必要とされる情報の提供などを通じて他職種との連携にも努めています。平成26年11月から、病棟薬剤業務実施加算を算定しています。
外来では、患者さんのご要望に応じて、個室でのお薬相談や化学療法室での服薬指導を行っています。
5.薬品管理業務
薬品管理室では、院内で使用する医薬品の購入・在庫・供給・消費管理を行っています。
医薬品の有効期限や保管条件(温度・湿度・光など)、法的に保管方法が定められているものなどの品質管理を行い、医薬品の安全管理や適正な在庫管理に努めています。
各部署の医薬品は定数に基づいて、担当薬剤師が管理しています。
また、医薬品の採用・中止に関する審議、破損・廃棄状況の調査・報告など、医薬品適正使用に関する事項については、薬事委員会で協議、検討を行っています。薬事委員会は医師、看護師、事務職員、薬剤師で構成されており、月1回(8月休会)開催しています。
6.治験業務
治験(医薬品の開発のための臨床試験)が適正かつ円滑に実施できるよう支援しています。治験についての詳細はこちらをご覧下さい。
7.チーム医療
[感染対策チーム]
感染対策チーム(ICT)は、日本感染症学会認定ICD、専従の感染管理認定看護師(ICN)、細菌検査技師、薬剤師(3名)などで構成され、患者さん・職員を含む病院全体の感染管理、教育、相談、サーベイランス、抗菌薬の適正使用のための介入を行っています。
薬剤師は、院内感染を防ぐため、週1回の回診に参加し、高リスク事例の把握、評価、周知、対策指導など様々な活動をしています。
感染防止対策加算を2009年4月より算定しています。
[栄養サポートチーム]
栄養サポートチーム(NST)は、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師(3名)などで構成され、患者さんの栄養管理を行い、早期退院やQOLの向上を目指しています。
薬剤師は、週1回の回診に参加し、輸液の投与選択、配合変化確認、経腸栄養剤の選択や適正な使用方法の指導、提案をしています。うち薬剤師2名は、日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム専門療法士の認定を受けています。
栄養サポートチーム加算を2010年12月より算定しています。
[褥瘡対策チーム]
褥瘡対策チームは、医師、専任の皮膚・排泄ケア看護師、理学療法士、栄養士、事務職員、薬剤師(3名)などで構成され、褥瘡の予防、早期発見、早期治療を目指しています。
薬剤師は、週1回の回診に参加し、基礎疾患だけでなく、栄養、血糖、浮腫などをコントロールするために、治療薬の提案をしています。
褥瘡患者管理加算を2004年4月、褥瘡ハイリスク加算を2008年5月より算定しています。
[緩和ケアチーム]
緩和ケアチームは、医師、緩和ケア認定看護師、臨床心理士、MSW、栄養士、薬剤師(2名)などで構成され、患者さんとその家族にとって身体的、精神的、スピリチュアルな問題への支援を行っています。うち薬剤師1名は日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師の認定を受けています。
薬剤師は、週1回の回診に参加し、除痛ラダーに基づいたオピオイド性鎮痛薬・補助薬や、良好なQOLを目指せる薬剤選択などの提案をしています。また、月1回の定例会で、勉強会やデスカンファレンスにも参加しています。
[認知症チーム]
認知症ケアチームは、医師、認知症看護師、社会福祉士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士、管理栄養士、薬剤師(3名)などで構成され、チームと病棟が連携し、認知症ケアの定期的評価、支援を行っています。
薬剤師は、週2回の回診に参加し認知症、認知症による行動・心理症状に対して薬学的な視点から助言、薬剤の提案を行っています。また、病棟にて看護師対象の勉強会なども行っています。2016年4月より認知症ケア加算を算定しています。
8.新人教育
薬剤部では新人職員それぞれに対して担当となる指導薬剤師を決め、業務の教育・指導、相談ができるようにしています。業務の達成度をチェックシートを使って標準化しています。
9.学術研究実績
10.学生実習
薬剤部では以前から薬学教育4年制課程の2週間・4週間実習、早期体験学習などを積極的に受け入れてきましたが、2010年から始まった薬学教育6年制課程の長期実務実習に対しても、「実務実習モデル・コアカリキュラム」に準じて、当院の特徴を活かした実習が行えるように独自のカリキュラムを作成しています。前半の6週間は、調剤、中心静脈栄養剤の無菌調製、抗がん剤のミキシング(抗がん剤調製キットを使用して練習します)、院内製剤の調製、医療安全、薬品管理、治験の実習を行い、後半の5週間は、内科・外科の急性期と慢性期の患者さんへの服薬指導と医薬品情報管理の実習を行います。医薬品情報管理では、DIニュースを作成する実習を行っています。
また、実習期間中は、実務実習指導薬剤師が定期的に学生と面談を行い、有意義な実習が行えるように配慮しています。
11.その他の活動
[薬薬連携の取り組み]
枚方市薬剤師会・星ヶ丘医療センターを中心に他の地域の薬剤師会と合同で、薬剤師の質の向上を目指して、年2回を目途に研修会を開催しています。
退院時に、入院中に薬剤が変更・中止となった内容や変更に至った理由などを記載した「薬剤管理情報提供書」をかかりつけ薬局にFAXし、情報提供を行っています。
(SNS運営ポリシーは、こちら)
[院外活動] (平成30年4月現在)
大阪薬科大学 OSCE評価者
摂南大学 OSCE評価者
[在宅医療]
在宅医療にも積極的に参画して、在宅療養のための処方設計や中心静脈栄養剤のミキシングを行っています。また、地域住民のための在宅医療講習会の講師も担当しています。
[各種集団教室への参画]
糖尿病教室(月2回)
小児喘息教室(年2回)
[後発医薬品の使用促進]
13.薬学生へ
- 業務内容の一例
- JCHO 薬剤師リーフレット
- 薬働ナビ https://plus-h.jp/navi/incorp/worker/29 ※外部サイトにリンクしています