診療・各部門
臨床研究・治験管理室のご案内
臨床研究・治験管理室では、「治験」(医薬品の開発のための臨床試験)が当院で適正かつ円滑に実施できるよう支援しています。
すべての治験は、GCP 「医薬品の臨床試験の実施の基準」 と呼ばれるルールを守って行うように、薬事法という法律で定められています。このルールには、治験で薬の有効性や副作用などの情報を集めるために守るべき事項と、治験を進める際にご協力いただいた方の人権を守るための事項が定められています。治験では、参加していただく方の負担が大きくなりすぎたり、プライバシーが侵害されたりすることがないように、このルールに従って十分に配慮しています。
当院では、当院の臨床研究審査委員会(治験審査委員会)の承認を得て実施し、患者さんから自由意思による同意を得て参加していただいています。さらに、治験担当医師と一緒に治験コーディネーターが、治験に参加していただく方を担当いたします。
治験とは?
私たちは病気になると、薬を使います。薬による病気の治療や予防は、20世紀後半からめざましい進歩をとげました。しかし、全ての病気を制圧できたわけではありません。健康や生命をおびやかすさまざまな病気に対して、今もなお、より良い薬を待ち望んでいる患者さんが数多くおられるのです。このため、新しい薬を開発する努力が世界中で続けられています。
薬の開発は、次のような手順で行われます。
まず、多くの「薬の候補」について、動物実験をはじめとする様々な試験を行います。その上で、人に投与して有効性(効き目)と安全性(困ったことが起きないか)を調べることが必要になります。一般に、人に対して薬物療法を含む種々の治療法の検討を行う試験を「臨床試験」と言いますが、「薬の候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験を「治験」と言います。
「治験」の結果、人々の健康や生命に役立つことが証明されたものだけが国(厚生労働省)から薬(医薬品)として認められます。「薬の候補」から、実際に病院で患者さんに使われるようになるまでには、数多くの慎重な検討が繰り返され、少なくとも10年以上の年月がかかります。こうして、新しい薬が世に出てくるのです。
一般に、治験には次のような段階があります。
第Ⅰ相
少人数の健康な成人ボランティアに、治験薬(薬の候補)をごく少量から使用し、安全性を調べます。また、治験薬がどのようにして体内へ吸収され、体外へ排出されるのかも調べます。
第Ⅱ相
少人数の患者さんに対して、本当に病気を治す効果があるのか、どのような効き方をするのか、どのような副作用がどれくらいの頻度でおきるのか、また、どれくらいの量をどのように使用すれば良いのかなどを調べます。
第Ⅲ相
より多くの患者さんに対して、有効性や安全性を最終的に調べ、治療に適した病気・病状(適応症)や標準的な使い方(用法・用量)を確定します。この場合、現在使われている標準的な薬、あるいは有効成分が入っていない薬と比較することがあります。
製造販売後臨床試験
「薬」として認められた後に、「治験」の時には得られなかった新たな情報を得るためや、より良い治療法を見出すために、すでに製造販売されている薬の有効性と安全性を確かめることがあります。この試験を「製造販売後臨床試験」と言います。
現在実施中の治験・製造販売後臨床試験
2024/9/1現在
開発相 | 実施診療科 | 課題名 | 詳細 |
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第Ⅰ相 | 当院では実施していません。 | ||
第Ⅲ相 | 整形外科 | 膝関節軟骨欠損症患者を対象としたCCI(自家培養軟骨細胞)キットの有効性及び安全性に関する探索的臨床試験 | - |
治験に参加するには参加基準があります。参加基準に合わなかった場合や、すでに予定の人数に達していたり、募集期間が終了した場合など、治験に参加いただけないことがあります。
臨床試験・臨床研究
また、当院では、他施設との共同臨床研究や当院独自の臨床研究として、新しい治療方法の開発、既存の治療方法との比較、治療選択肢の拡大あるいは現在行われている治療における未知の部分の検証などを目的とした臨床試験・臨床研究も行っています。臨床試験・臨床研究はヘルシンキ宣言の精神を尊重し、当院の臨床研究審査委員会あるいは医学倫理委員会の承認を得て実施しています。参加していただく患者さんには、自由意思による同意を得て協力していただいています。
治験・臨床試験・臨床研究についてのご質問は、こちらにお問い合わせください。なお、業務の都合上、回答に時間がかかることもありますので、ご了承ください。
現在実施中の臨床試験・臨床研究
2024/4/1現在
実施診療科 | 対象疾患 | 課題名 | 研究事務局 | 詳細 |
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外科 | 大腸癌 | 【JFMC48-1301-C4(ACHIVE-2 Trial)】再発危険因子を有するハイリスクStageⅡ結腸がん治癒切除例対する術後補助化学療法としてのmFOLFOX6療法またはXELOX療法の至適投与期間に関するランダム化第Ⅲ相比較臨床試験 | 公益財団法人がん集学的治療研究財団 | |
外科 | 血液循環腫瘍・結腸癌 | 血液循環腫瘍DNA陰性の高リスクStageⅡ及び低リスクStageⅢ結腸癌治癒切除例に対する術後補助化学療法としてのCAPOX療法と手術単独を比較するランダム化第Ⅲ相比較試験 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター |
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外科 | 結腸・直腸癌 | 根治的外科治療可能の結腸・直腸癌を対象としたレジストリ研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター |
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外科 | 大腸癌 | pStageⅡ大腸癌に対する OSNA 法による リンパ節微小転移診断意義の検討 | 大阪大学大学院外科学講座消化器外科学 | |
外科 | 大腸癌 | 大腸癌手術に対するCOVID-19の影響に関する後方視的解析 | 大阪大学消化器外科 共同研究会 | |
外科 | 胃がん | 高齢者に対する幽門側胃切除後再建(Billroth-II 法versus Roux-en-Y 法)に関するランダム化比較第II 相臨床試験 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学 | |
外科 | 消化管間質腫瘍 | 再発高リスク消化管間質腫瘍に対する完全切除後の治療に関する研究(STAR ReGISTry)の追跡調査 | 国立がん研究センター中央病院 | |
外科 | 外科 | 外科症例臨床データベースを利用した臨床調査研究 | 大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座消化器外科学 | |
外科 | 開腹またはロボット支援下尾側膵切除術を予定している方 | 尾側膵切除後の膵断端閉鎖における水平マットレス縫合の有用性の検討 | 大阪大学 消化器外科 消化器外科共同研究会 肝胆膵疾患分科会 |
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外科 | 胃がん | S-1による胃癌術後補助化学療法患者に対する成分栄養剤(エレンタール)の有用性に関する第II相臨床試験(OGSG1108)の追加観察研究 OGSG1108 Follo | 市立豊中病院 消化器外科 |
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脳卒中内科 | 脳梗塞 | 脳主幹動脈狭窄による急性期アテローム血栓性脳梗塞に対する血管内ステント留置術に関する臨床研究 | 脳卒中内科 | |
脳卒中内科 | 脳卒中 | 脳血管疾患の再発に対する高脂血症治療薬HMG-CoA還元酵素阻害薬の予防効果の遺伝子背景に関する研究-J-STARS Genomics- | 脳卒中内科 | |
脳卒中内科 | 脳梗塞 | 【ATIS-NVAF】非弁膜症性心房細動とアテローム血栓症を合併する脳梗塞例の二次予防における最適な抗血栓療法に関する多施設共同ランダム化比較試験 | 国立循環器病研究センター脳卒中集中治療科 | |
脳神経外科 | 脳神経外科に入院された方 |
一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業 |
一般社団法人日本脳神経外科学会 | |
循環器内科 | 心不全 | 左室収縮が保たれた心不全の予後に関する多施設共同前向き観察研究 | 大阪大学循環器科 | |
循環器内科 | 非弁膜症性心房細動 | ⾮弁膜症性⼼房細動を合併する冠動脈インターベンション施⾏患者の経⼝抗凝固薬と抗 ⾎⼩板薬の⾄適併⽤療法 : 多施設、前向き、無作為化⽐較試験 - OPTIMA-AF - | 循環器内科 | |
循環器内科 | うっ血性心不全 | うっ血性心不全(心性浮腫)患者における五苓散追加投与の浮腫に対する有効性を検証する研究 | 循環器内科 | |
循環器内科 | 虚血性心臓病 | 慢性冠症候群または非 ST 上昇型急性冠症候群を有する患者における、 新世代生分解性ポリマーエベロリムス溶出性 SYNERGY ステントを用いたPCI 後のプラスグレル単剤療法に関する多施設前向きシングルアームオープンラベル試験 (ASET-JAPAN) | 循環器内科 | |
小児科 | 血友病 | インヒビター非保有血友病A患者を対象とした、エミシズマブ投与下における破綻出血時/手術時止血管理における血液凝固第Ⅷ因子製剤投与時の凝固能測定に関する研究(CAGUYAMA Study) | 奈良県立医科大学附属病院 | |
小児科 | 卵黄アレルギー | 卵黄をアレルゲンとするAcute Food protein-induced enterocolitis syndrome (FPIES)小児の予後に関する研究~多施設共同前向きコホート研究 | 近畿大学医学部小児科学教室 | |
小児科 | COVID-19 | 日本における、重症・中等症小児COVID-19登録及びMIS-C全国調査共同研究 | 自治医科大学 地域医療学センター 公衆衛生学部門 | |
小児科 | 卵黄アレルギー | プロテオミクス手法による卵黄消化管アレルギーの要因解析 | 大阪はびきの医療センター | |
小児科 | 食物アレルギー | 生活環境が食物アレルギーに及ぼす影響に関する研究 | 八尾市立病院 | |
小児科 | 食物アレルギー | 2023年 即時型食物アレルギー 全国モニタリング調査 | 相模原病院 | |
小児科 | 食物アレルギー | 鶏卵アレルギーにおける食事指導で治療食品により負担度が異なるかどうかの検討 | 大阪はびきの医療センター | |
整形外科 | リウマチ | メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患発症予測因子の同定 | 大阪南医療センター | |
整形外科 | 膝前十字靱帯再建術 | 当院にて施行した膝前十字靱帯再建術の成績 | 整形外科 | |
整形外科 | 人工関節手術 | 人工関節手術におけるカスタムメイド骨切りガイドの作成 | 整形外科 | |
整形外科 | 大腿骨頸部骨密度 | 大腿骨頸部骨塩量の左右差と運動器疾患の関連に関する観察研究 | ||
整形外科 | 骨粗鬆症・変形性関節症・関節リウマチ | 骨粗鬆症・変形性関節症・関節リウマチの病態および各種治療効果ついての検討 | 整形外科 | |
整形外科 | 変形性関節症・関節リウマチ | 変形性関節症・関節リウマチ患者における下肢画像解析 | 国立病院機構大阪刀根山医療センター | |
整形外科 | 運動器疾患 | 日本整形外科学会手術症例データベース(JOANR)構築に関する研究 | 日本整形外学会 | |
整形外科 | 股関節手術 | 股関節手術の周術期管理・合併症治療の多施設調査と人工知能構築 | 大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学整形外科学 | |
整形外科 | 大腿骨骨折 | ZNN CM Fortis Nailの安全性及び有効性を評価するための後ろ向き多機関共同観察研究 | ジンマーバイオメット | |
整形外科 | 変形性膝関節症 | 変形性膝関節症患者で人工膝関節全置換術を受ける患者 | 整形外科 | |
整形外科 | 足部変形 | 足部CT画像における接地面と骨組織の位置関係に関する検討 | 整形外科 | |
泌尿器科 | 前立腺癌 | 前立腺全摘術後の生化学的再発癌に対する放射線治療へのホルモン療法の上乗せ効果の検討 | 奈良県立医科大学附属病院 泌尿器科 | |
泌尿器科 | 前立腺癌 | 骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者におけるBone Scan Index(VSBONE BSI)の有用性の検討 | 奈良県立医科大学附属病院 泌尿器科 | |
泌尿器科 | 腫瘍性病変 | 泌尿生殖器系および後腹膜腫瘍を対象とした手術療法・薬物療法・放射線療法・無治療監視療法の治療成績および合併症の包括的比較解析 | 奈良県立医科大学附属病院 | |
泌尿器科 | 二分脊椎症 | 二分脊椎症に伴う下部尿路機能障害症例に対する薬物療法に関する後方視的検討 | 奈良県立医科大学附属病院 | |
泌尿器科 | 二分脊椎症 | 二分脊椎症(脊髄髄膜瘤と脊髄脂肪腫)の修復術後に発生した再係留症候群における係留解除術前後の下部尿路機能に関する後方視的検討 | 奈良県立医科大学附属病院 | |
循環器外科 | 癌 | がん患者における凝固線溶系の特徴の解明およびバイオマーカーの網羅的探索 | 血管外科 | |
循環器外科 | 下肢静脈瘤 | 下肢静脈瘤重症例に対する不全穿通枝治療の多施設共同前向きレジストリー研究 | 川崎医科大学心臓血管外科学 | |
看護部 | 中心静脈カテーテル | 看護師による末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC)挿入の実態と効果の検討 | 大阪大学医学系研究科保健学専攻 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中後のlateropulsionに対する直流前庭電気刺激の効果 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳梗塞 | Lateropulsionの病態の解明 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脊髄損傷 | 脊髄損傷者の呼吸と嚥下の協調性に関する検討 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中後疼痛を分類するための痛みの表現型データベース構築 | 畿央大学大学院 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中患者における自覚的姿勢垂直位の信頼性の調査 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中後疼痛における表現型ごとの病態メカニズムの分析 | 畿央大学大学院 健康科学研究科 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中後に生じる感覚障害と身体性変化に関する経時的変化、脳メカニズムを追及すること | リハビリテーション部/畿央大学大学院 健康科学研究科 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | テント下領域の脳卒中運動失調患者におけるScale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)とVertigo Symptom Scale- short form(VSS-sf)のMinimal clinically important differences(MCID)を探索する多施設共同前向き観察研究 | さくら会病院/リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 回復期脳卒中患者における身体活動量と身体機能・日常生活活動能力改善の関連性-多施設共同研究- | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 頚髄損傷 | 外傷性頚髄損傷患者の姿勢の違いによる横隔膜機能の変化 〜超音波エコー検査法を用いた検討〜 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中患者の視覚遮断・再入力に伴う静止立位姿勢制御の適応的変化について | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中患者における幾何拘束下(肩関節屈曲角条件)でのロボットを用いた上肢ワイピング動作訓練の分析 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 股関節疾患 | 股関節疾患の歩行制御解明に向けた探索的研究 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 健常者 | 健常者における利き手・非利き手での上肢ワイピング動作の分析 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脊髄損傷 | 触覚アロディニアを定量評価するための脳波計測と解析 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脳卒中 | 脳卒中患者における幾何拘束下(肩関節屈曲角条件)での 上肢ワイピング動作訓練の分析 |
リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 脊髄損傷 | MRI画像解析ソフト-Spinal Cord Toolbox-を用いた予後予測の検証 | リハビリテーション部 | |
リハビリテーション部 | 作業療法を受けられる方 | 日本作業療法士協会 事例レジストリ研究(身体障害領域) | リハビリテーション部 | |
薬剤部 | 脳卒中 | 脳卒中患者を対象とした急性期病棟退院後の投薬歴に関する調査 | 薬剤部 | |
薬剤部 | 脳卒中 | 脳卒中患者の療養環境変化に伴う薬物治療上の問題に、薬剤師間連携が与えるアウトカム 1:単群比較試験 | 薬剤部 | |
薬剤部 | 脳卒中 | 脳卒中患者の療養環境変化に伴う薬物治療上の問題に、薬剤師間連携が与えるアウトカム 2:無作為化比較試験 | 薬剤部 | |
薬剤部 | アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)と利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、プロトンポンプ阻害薬(PPI)併用時の腎機能低下に及ぼす影響に関する研究 | 薬剤部 | ||
診療放射線部 | 末梢動脈疾患 | 末梢動脈疾患に対する血管内治療の医療被ばくに関する多施設共同後ろ向き観察研究 | 筑波メディカルセンター病院 |