チーム医療

診療・各部門

摂食嚥下チーム認知症ケアチーム呼吸療法サポートチーム栄養サポートチーム感染対策チーム褥瘡対策チームがんサポートチーム糖尿病チーム排尿自立支援チーム

摂食嚥下チーム

摂食嚥下障害で重要なことは、食べられる口作りからです。そのために、歯科医師と連携しながら口腔内の評価や専門的歯科治療や口腔機能の向上に努めています。嚥下評価として、嚥下内視鏡や嚥下造影などで評価をしながら、安全に食べられるように介入しています。また言語聴覚士による専門的な訓練や栄養状態の評価のために管理栄養士による指導、日常的な看護ケアの実施のために摂食・嚥下障害看護認定看護師による直接的なケア介入や患者・家族指導などを各専門職で対応しています。

チームが大切にしていることやモットー

「食べたい」思いの患者さん・ご家族さんに寄り添い、障害に向き合い、「食べること」の喜びを味わえるようにサポートをすること。

認知症ケアチーム

認知症患者にとって、入院・治療による生活環境の変化は、認知症の行動・心理症状(BPSD)の悪化やせん妄を出現させやすいため、安心して療養できる環境調整が必要です。認知症ケアチームは、平成28年4月から、BPSDの悪化やせん妄を予防・緩和することを目的に医師・社会福祉士・認知症看護認定看護師・臨床心理士・リハビリセラピスト・薬剤師・管理栄養士などの多職種が連携して活動しています。
主な活動として、病棟を定期的に回診し、部署の看護師を含めたチームでカンファレンスを行い、病気や入院治療によって引き起こされた混乱や認知症の症状に対し、安心して療養していただけるように個々に応じた関わりの検討を行っています。私達が大切にしていることは、認知症患者の視点に立ち、何に困っているのか、何を伝えたいのかを知ることです。様々な職種が関わり、検討することで視点が変わり、視野を広げて考えることにもつながると実感しています。これからも、チームで力を合わせて頑張ります。

呼吸療法サポートチーム

RST( respiratory support team:呼吸ケアサポートチーム)は、主に人工呼吸管理を要する方など、呼吸に問題を抱えた患者さんを対象に、医師、看護師、理学療法士や臨床工学技士などの多職種が集まって呼吸ケアに関する支援を行うチームです。週1回呼吸ケアラウンドを行い、呼吸管理全般のケアの質向上を目的とした活動を行っています。
RSTの主な活動内容は、毎週の病棟ラウンド、呼吸に関連するコンサルテーション受付、また呼吸に関連する医療機器の導入や啓発などです。病棟ラウンドは、呼吸器内科の医師を中心に、集中ケア認定看護師、理学療法士、臨床工学技士で行っています。対象は人工呼吸器装着患者だけに絞らず、呼吸に関連する様々な相談にも応じています。
それぞれの領域の専門的知識や技術を十分に活用し、1日でも早く人工呼吸器を離脱できるように、そして少しでも多くの患者さんがスムーズに回復できるよう、質の高いケアの提供を目指しています。

栄養サポートチーム

入院時に全患者さんに栄養状態の評価を行い、必要な患者さんにNSTチーム介入を行い栄養管理を行っています。NSTチームは、医師、管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士、看護師の多職種で構成されています。経腸・経静脈栄養、経口摂取及び食事形態など適切な栄養摂取方法を提案し、栄養管理の支援を行っています。
また回診では、病棟看護師とも情報共有し、患者さん個々の最善の栄養管理の提供を行っています。また、患者さんの嗜好も取り入れながら、摂取しやすい食事を検討し提供しています。最善な栄養管理は、低栄養の予防や病状の回復の促進につながります。患者さんの生活の質の向上へとつながることになります。チームで、全力でサポートしていきます。

感染対策チーム

感染対策チーム(Infecttion Control Team:以下ICT)は、病院内における感染症の発生動向を把握することや、感染症に対する適切な措置を講じること、感染症の予防や感染対策の教育、適切な抗菌薬治療のための介入を行うことなどを役割とする、職種を超えた組織横断的なチームです。当院のICTの構成は、医師3名、看護師2名(感染管理認定看護師)、薬剤師3名、検査技師2名の、総勢10名のメンバーなっており、院内感染対策の推進を行っています。
ICTは、週2回、抗菌薬適正使用介入ラウンドと環境のラウンドを実施しています。抗菌薬適正使用介入ラウンドでは血液培養陽性患者や長期の抗菌薬投与患者の病態を把握したうえで、適切な抗菌薬治療・感染症対策がなされているのかを協議し、主治医や部署にフィードバックを行います。環境ラウンドでは適切な療養環境が提供されているのかを確認し、病院内の各部門と連携しながら改善に努めています。
感染対策を推進する上で、各部門との密なコミュニケーションや連携が不可欠です。そのため、感染対策に関する疑問や質問を気軽に話せるチームをモットーに、日々活動しています。

褥瘡対策チーム

当院の褥瘡対策チームは皮膚科医師、薬剤師、栄養士、理学療法士、皮膚・排泄ケア認定看護師の多職種で構成されています。患者さんの背景をふまえ最適な褥瘡ケアまたは褥瘡予防ケアが提供できるよう、様々な職種が協働しそれぞれの専門分野の視点でディスカッションしています。
褥瘡対策チームの主な活動は、

  1. 褥瘡ラウンド:週に1回、発生要因を排除し治癒に向かうようチームメンバーがそれぞれの専門的視点で褥瘡を捉え評価し、病棟看護師とともに処置を実施しています。
  2. 定例会議の開催:月に1回、院内の褥瘡発生状況を把握し褥瘡対策上の問題点を抽出するとともに、改善するための指導や支援について検討しています。
  3. 教育:褥瘡発生予防に関する知識や技術について、院内外のスタッフへ研修を実施しています。
  4. 創傷被覆材・褥瘡予防用具の管理:院内発生状況から必要な患者さんに使用できるよう、適宜見直しや購入を行っています。
  5. 地域連携:褥瘡を持つ患者さんが安心して地域で生活が送れるよう、紹介外来受診時や当院退院時に具体的処置方法や適切な体圧分散寝具の選択などについて、近隣施設や訪問看護ステーションなどと連携を図っています。必要時はご家庭を訪問し実際の生活環境を見る、体圧分布測定器(SRソフトビジョン)による体圧分布を可視化しています。褥瘡治癒に向けた改善策について本人・ご家族・訪問看護師・ヘルパーなどへ説明させていただいています。
  6. 学会発表や講演。

です。メンバーがお互いを尊敬し協働することで、患者さんにとって最適なケアが提供できることをモットーとしています。

がんサポートチーム

がんの治療中から痛みなどの症状を緩和することで、治療成績が向上し延命に寄与しているという報告があります。痛みやその他の辛い症状を我慢することで、治療を続ける気力が無くなり、自宅で生活をすることが辛くなることがあります。このような様々な症状や悩みに対応できるように、チームメンバーは、症状緩和や精神的なサポートを行う専門的な資格を持ったメンバー(医師・看護師・薬剤師・理学療法士・社会福祉士・臨床心理士・栄養士)で構成され、主治医と病棟・外来スタッフと協働して対応しています。気持ちを誰かに伝えた時からより良い治療が始まります。チーム介入を希望される場合は、主治医及び看護師にお気軽にご相談ください。

糖尿病チーム

糖尿病チームでは、糖尿病内科で入院されている患者さんだけでなく、糖尿病を併存し他科に入院している患者さんにも、糖尿病回診などで血糖管理のための生活指導について話し合い、食事療法や運動療法に関する指導、インスリン治療導入をスムーズに行うためのサポートなどを行っています。また様々な糖尿病の合併症予防・進展防止のための支援として足の観察・ケア方法の指導、爪切りなど足のトラブルを予防するためのフットケア外来や糖尿病性腎症から透析導入を予防するための透析予防外来などチームで糖尿病患者さんを支援していく活動も行っています。

排尿自立支援チーム

膀胱留置カテーテル抜去後、下部尿路機能障害を有する患者さんに対し、安心・安全で納得できる排尿管理を提供するため、平成28年7月より排尿自立支援チームが発足しました。チームを構成するメンバーは、泌尿器科医師、理学療法士、事務職員、皮膚・排泄ケア認定看護師、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師です。チームと病棟看護師が協働して個々の患者さんの身体面社会面精神面を考慮した援助を行っています。
チームの主な活動ですが、①チームラウンドとカンファレンス:当院は1970年代より脊髄損傷、二分脊椎、脳卒中などの各種神経疾患による排尿障害で悩む患者さんの治療を積極的に実施してきた歴史があります。患者さんの排尿自立をめざし、毎週火曜日と金曜日にチームと病棟看護師が協働して個々の患者さんの身体面社会面精神面を考慮したケア計画・実施・評価を行っています。また②スタッフ教育:下部尿路機能障害に関して適切なアセスメントが実施できるよう研修を行っています。
チームはまだ成熟していませんし現在実施している方法がベストでもないと思います。現行よりもよりスマートに最適なケアが提供できるよう、チーム内でいつでもどこでも職種は関係なく相談し合っています。