不整脈センター

星ヶ丘医療センター循環器内科では、北河内地域の不整脈疾患の診療を充実させるために、2015年より循環器内科の一部門として『不整脈センター』を開設いたしております。2016年に年間アブレーション件数100例を超え、2019年に通算でも600件を超える件数になりました。
(2020年4月から不整脈心電学会認定施設)

不整脈総論

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不整脈は徐脈と頻脈に大きく分かれます。治療方法としては徐脈はペースメーカ、頻脈は薬剤・アブレーションが挙げられます。
頻脈性不整脈は大きく2つの機序に分けられます。一つは巣状、もう一つはリエントリー性です。それぞれ特徴がありますが、巣状は1点の発火点から遠くに出てゆく不整脈で、リエントリー性は緩徐伝導する場所(必須緩徐伝導路)を中心に旋回するものです。なお、心房細動は大きく分けるとリエントリー性ですが、いずれの性格も含んでいるために、このようにどちらにも分類が難しい不整脈もあります。

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診断には心内心電図と、三次元マップを用いることが一般的です。

心内心電図は心臓の中の電気的興奮を調べます。多極電極カテで複数の場所での電気の走行をチェックします。またペーシングを複数の場所から打つことで総合的に不整脈の起源を診断します。





 
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この検査限界を補充するものとして、3次元マッピングがあります。参照する点をあらかじめ決めておいてその部分からの時間を計測し、等高線のような図を左房に書いてゆきます。3次元的に至適焼灼部位までわかることがあります。



不整脈治療の変遷

古くから、不整脈治療は抗不整脈薬による薬物療法が中心に行われてきました。実際、薬物コントロールが良好なケースもあります。しかし効果がない場合も多く、また薬物による副作用で失神や催不整脈性・弱心効果による重篤な副作用もしばしば見受けられます。その中で新しい治療方法であるカテーテルアブレーション治療は発展してきました。
カテーテルアブレーションはシースという筒を介して、先端から発熱できるカテーテルで心筋を凝固壊死させる治療です。不整脈に関する心筋の一部を取り除くことで様々な不整脈治療ができるようになっています。

アブレーション治療の効果

アブレーションとは焼灼という意味で、心筋を一部焼灼・凝固して、不要な興奮・伝播を消去します。アブレーション治療が最も効果的な不整脈は“点”を焼いて根治できる不整脈で、発作性上質性頻拍やWPW症候群が良い適応疾患として治療されています(日本循環器学会・ガイドライン2018 Class I *適応)。
そして、今は“線”によるアブレーション治療が可能になっています。
(Class I適応とは治療を推奨するという意味です。)

“線”状アブレーションによる心房細動治療

img_fusei-01点焼灼だけでは治療できなかった心房細動、心房頻拍などの不整脈も、“線”状アブレーションで治療対象となってきました。発作性心房細動に対する抗不整脈薬は3-4割しか効果がなく、生命予後も改善しないことが臨床研究で明らかにされていますが、カテーテルアブレーションでは1回の治療で70%以上の治療効果があると臨床研究で示されています。(1週間以上持続する持続性心房細動では60%程度の治療効果率が報告されています。)
星ヶ丘医療センターでは2013年から2017年の実績では、術後2年間の無再発率が発作性で80%、持続性で70%であり、他施設と遜色ない結果です。
現在の日本循環器学会・ガイドライン2018でも薬剤治療抵抗性の発作性心房細動はカテーテルアブレーションの適応がClass Iとされており、薬剤治療をしていない場合でもClass IIaと位置付けてあります。


不整脈各論

◆心房細動

心房細動とは?

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 心房細動は心房が1分間に300〜600回で痙攣しています。通常は心房と心室は1:1の比率で規則的に興奮伝播しますが、心房が痙攣するので伝導率は一定ではなく、脈拍がバラバラになります。そのため動悸を引き起こすことがあります。

 通常、心房細動はこれ単体では致死的要因にはなりません。しかし、脳梗塞の原因疾患となり、心房細動による左心耳血栓は全脳梗塞の3-40%程度の原因とされます。そして痙攣が続けば、心房駆出機能が落ち、心臓全体のポンプ機能は低下します。車で例えれば排気量が落ちたことと同じで、坂道のような重い負荷はこなせなくなります。この状態は”心不全”という病態を引き起こします。従って、長期的には健康寿命や生命予後に影響を与えます。

 以上をまとめると心房細動を治療する目的は

① 脳梗塞予防
② 心機能(心ポンプ機能)の保持、心不全予防
③ 上記を通じて生活の質(Quolity of Life)の保証

                 と言えます。

 過去の追跡研究では心房細動が“ある人”と“ない人”を比べたら、寿命が“ある人”には短かったという報告もあります。


心房細動の治療

img_fusei-03 心房細動は長らく薬物治療が行われてきました。しかし、正常洞調律を維持する効果は低く(1年間の心房細動消失率は約30%)、過去の研究では頻脈のレートを落とす薬を投与する(レートコントロール)に対して、薬で不整脈を止める治療(リズムコントロール)は優位性がないことが示されています。ただし、結果として洞調律を維持できている人は生命予後が良いことも知られており(右図参照)、洞調律維持効果がより高いカテーテルアブレーションには期待されています。

当院での心房細動カテーテルアブレーション治療

適応を吟味して、最適と思われる方法を考えて行います

日本循環器学会のガイドラインに則って治療いたします。治療が禁忌とさせる方には行いません。その適応評価は確実に行います。
一方でガイドラインでは治療対象とされても見送る場合や、逆に積極的治療対象ではなくてもアブレーション治療が向いている人はいます。また、個々の症例に併せて適切な方法を検討します。

・持続性心房細動の患者さんに対して積極的に治療を行なっております

日本循環器学会のガイドラインでは持続性心房細動(1週間以上続いている状態)では、アブレーションの推奨レベルは高くありません(Class IIa;どちらかというと治療を推奨)。特に無症状の場合は、Class IIb適応(どちらかというと治療は推奨しない)です。ただし、3年近くかそれ以上ずっと心房細動が続く方でも、50歳程度で左房変性が強くなければ効果が見込める時があります。患者さんに合わせて、慎重に適応を考えております。

・低侵襲を心がけています

低侵襲で安全に行うことを心がけています。カテーテルを挿入する血管穿刺は、エコーガイド下で行っております。またアブレーション治療は観血的動脈測定(A-line)を必要とし、右大腿動脈にシースを挿入することが多いですが、術後に仮性動脈瘤になることがあります。そのため現在当院では、観血的動脈測定のシースは左橈骨動脈から点滴用サーフロを第一選択としています。それに伴い、安静時間の短縮が実現できております。また尿道バルーンも心臓の機能が悪い方、足腰が弱い方などに限らせていただいております。

・クライオバルーンアブレーションによる治療も進めて参ります(2020年7月より)

本年7月より冷凍(クライオ)バルーンを用いたアブレーションを行う予定です。これにより時間短縮が見込まれ、長時間の手技に耐えられない方、鎮静剤が投与できない方でもアブレーションが可能になります。この方法は発作性心房細動が対象になりますので、治療対象の方は自ずと絞られますが、画期的な方法です。

・高周波焼灼によるアブレーションでは全身麻酔で行なっております

麻酔科の指導・協力のもと、全身麻酔で手技を行なっております。アブレーション治療の合併症として心穿孔・心タンポナーデなどの機械的損傷が挙げられますが、この多くが体動や荒い呼吸によって起こります。従来は自発呼吸のもとで、鎮静剤は最小限で行うことが主流でしたが、体動や呼吸が激しくなり、リスクが上がります。また呼吸が荒いと通電ポイントの並びが粗雑になり、治療効果も落ちてしまいます。そのため全身麻酔下で行なっております。

・脳梗塞後の患者さんに対して積極的に治療を行なっております

現在、心房細動により脳梗塞を発症した方に対する心房細動カテーテルアブレーションが、その後の脳梗塞を効果的に予防できる疫学的根拠(エビデンス)はありません。しかし、原因である心房細動を取り除くことはリスク低減のために有効で論理的であると私たちは考えております。

 

心房細動カテーテルアブレーションを受けるまで

●カテーテル治療の適応を評価します

絶対的な適応除外は抗凝固療法の適応禁忌、左心房内血栓のある方です。抗凝固療法(血をサラサラにする薬)はカテーテル手技前から、少なくとも術後3ヶ月までは継続していただく必要があります。抗凝固療法が不可能な方に対してカテーテルアブレーション治療はできません。

その他、心房細動が続いている期間、基礎心疾患の存在、年齢を軸にして適応を判断します。

  1. 長期間心房細動が続いている方は基本調律(洞調律)が消失し、カテーテル治療は向かない可能性があります。当院では2年以上続いている方には、正常洞調律に復するか後述のDCカルディオバージョン(電気的除細動)を先行して推奨しております。
  2. 大動脈弁や僧帽弁の高度な異常(弁膜症)があっても、カテーテルは向きません。また、心房サイズ(左房径)があまりにも大きいとカテーテルが十分に届かない可能性もあるため、事前の心エコー図検査は必須です。
  3. 年齢も大切な要件の一つです。80歳以上の方は積極的適応とは考えられないケースもあります。
 
● DCカルディオバージョン(電気的除細動)

 心房細動が2年以上持続する場合、心房細動が確実に止まるのか、止まった後に脈が遅くならないのかを確認するために、1泊2日の電気的除細動(DCカルディオバージョン)目的に入院をお願いいたしております。(経食道心エコー検査を事前に行います)
 仮にこの治療で不整脈が止まらなければ、残念ながらカテーテルアブレーションの適応とはなりません。


● アブレーション治療が決まった後にしていただくこと
1.造影CTアンギオ
img_fusei-05当院ではカテーテル手技に先立ちまして、心臓CTアンギオを撮影しております。冠動脈疾患(狭心症など)の併存がないことと、左房に還流する肺静脈の形態を確認しています。後述する3Dマッピングと癒合して実際の通電治療は行うので、非常に重要な検査です。腎機能障害やアレルギーで造影CTが施行できない方は、単純CTで左房構築を行っております。
2.経食道心エコー図検査
img_fusei-06安全に手技を行うために、全例で事前に経食道心エコー検査を行っております。これは左房の中に(特に左心耳の中に)血栓がないことを確認する上で非常に重要です。基本的にカテーテル前日に行います。仮に血栓がある場合、アブレーション治療は行えません。

アブレーション手技の実際

 前日の22時より点滴を行い、カテーテル治療が終わるまでは絶食になります。飲水は2時間前まで可能です。

 麻酔薬投与と同時進行でカテーテルを通すシース(鞘)を右の鎖骨下もしくは内頸静脈を1本、右の大腿静脈を3本穿刺して留置します。他に左の橈骨動脈を穿刺し、観血的血圧測定を留置いたします。その後、全身麻酔を導入し、穿刺は原則的にエコーガイド下で行なっております。使用シースは患者さんごとによって異なります。

img_fusei-05 シースは右房に到達した後に、左房に到達させなければなりません。そのため心房中隔穿刺が必要になります。卵円窩という薄い膜部が貫通できるために、ブロッケンブロー法で穿刺を行います。この際に心腔内エコー図を見て行い、後述の大動脈損傷を予防しております。また穿刺針はJLL社のRFニードルを用いています。

 次に左心房造影を行なった後、左房を電極カテーテルでなぞって、3次元マッピングで解剖学的な図を構築させます。当院では症例に応じてEnSite Precision™(Abott社製)を使用し、カテーテルでの描写図と事前のCTでの図を癒合させて、カテーテル治療がしやすいようにします。その後、通電カテーテルを挿入して治療が開始となります。

 

実際の通電治療の方法

コンタクトフォースカテーテルを使用しています。
先端に何gの強さで当たっているかを認識するカテーテル(コンタクトフォースカテ)を用います。これは後述する心タンポナーデ回避に役立っています。

基本的手技

1.肺静脈隔離術
img_fusei-06心房細動カテーテルアブレーションの基本的治療であり、全例で施行します。心房細動のきっかけは、80%が左房と肺静脈の間の異所性興奮であり、同部位の電気伝導を通電で消滅させます。通常1時間程度要しますが、個人差があります。最終通電から30分待機して、伝導再開していなければ治療成功となります。この確認の際にイソプロテレノールとアデノシンという薬を使います。また両側の肺静脈隔離ラインをつなげ、後壁隔離として治療することがあります。
2.下大静脈—三尖弁輪峡部線状焼灼
img_fusei-07心房細動を起こす患者さんの30%に心房粗動という形の違う不整脈を起こすことが知られています。これもほぼ全ての患者さんで治療追加しております。
3.上大静脈―右房間隔離
上大静脈と右房から心房細動が起きる方がいます。同部位からの誘発性がある方には焼灼隔離を行なっております。
4.CFAE map・Fractionation map アブレーション
長期持続している方に行う手技で、心房細動中の電位を見ながら、細かいCFAE電位を記録して、その部位を通電する方法です。
またその他、必要に応じて右房側の焼灼治療を追加します。

クライオバルーンを用いたカテーテルアブレーション

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液体窒素を用いた冷凍バルーンによるアブレーションで、肺静脈隔離を従来の高周波通電よる焼灼の方法よりも短時間で行えるメリットがあります。それ以外の部位には使えませんので、肺静脈隔離のみで治療が見込める発作性心房細動のみが適応疾患となります。

方法としては
① バルーンの進路を決める
② バルーンを拡張させて冷却
③ 押し当てる

肺静脈内の電位消失を確認し、その後2分程度冷却します。
それを4本の肺静脈全てに行い、手技終了とします。

 
 

◆発作性上室性頻拍

脈拍が一定の間隔で突然早くなる不整脈に、発作性上室性頻拍(PSVT)が挙げられます。カテーテルアブレーションは、実はこの不整脈の治療から発展してきました。
PSVTは、主にAVRT(WPW症候群)と AVNRT(房室結節リエントリー性頻拍)とに分けられるわけですが、鑑別困難な症例もあります。電気生理学的には両方の特徴も認めることもあり、複数の基準から診断をすることが肝要です。大切なことはおそらくそうであろうと診断するのではなく、いくつかの鑑別診断の中からこれではないと消去法的に診断することも大切です。

通常型AVNRTの診断基準
✓2重伝導路の存在が診断される。
✓誘発はAH時間のクリティカルな延長に依存する。
✓頻拍中の心房興奮順序は房室接合部(His束記録部位)が最早期である。
✓PVC scanで頻拍をリセットしない。
✓頻拍中のHis束部位におけるVA伝導時間が60ms以下
✓心室−心房間の伝導時間が連続刺激後も一定

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当院でのアブレーションでは減衰伝導曲線を作成しながら、正確に評価を行った上で治療(通電)をいたしております。

また3次元マッピングシステムはPSVTでも積極的に利用しており、通電部位を正確に保つ上で役立っております。 同マッピングで治療が円滑に行えた症例をご紹介します。

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全身麻酔の必要性

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当院では高周波通電による心房細動のカテーテルアブレーションでは全身麻酔で行なっております。

従来、アブレーション治療は意識のある浅鎮静で行うことが一般的でした。しかし、アブレーション治療は呼吸の変動に弱く、呼吸が不安定ではカテーテル位置が容易にずれます。そのため3Dマッピングでも位置情報の精度が低下し、合併症のリスクが上がります。そのために当院では人工呼吸器に接続した状態(全身麻酔下)で手技を行なっています。鎮静と全身麻酔の区別は下記のように分別されています。

 
軽鎮静 中程度鎮静 深鎮静 全身麻酔
反応 呼びかけに反応 言葉刺激に意図ある反応 連続刺激や疼痛刺激で意図のある反応 疼痛刺激で覚醒せず
気道 無影響 介入不要 介入不要 しばしば要介入
自発呼吸 無影響 十分ある 不十分な可能性 しばしば不十分
循環 無影響 通常保持される 通常保持される 破綻する可能性あり
カテーテルでは全身麻酔と局所麻酔を組み合わせることによる、麻酔による患者さんへの負担を少なくし、より安全に治療を受けていただけます。

● 実際の麻酔の流れ
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最初に点滴から麻酔薬を投与することにより入眠し、意識がなくなります。その後、INTERSURGICAL社のi-gel®という声門上マスク(ラリンジアルマスク)を用いて気道確保を行います。鎮痛はフェンタニル、鎮静はプロポフォールとデクスメデトミジンを用います。手術中は意識がなく、痛みを感じることはありません。治療終了とともに麻酔薬の投与を止めると、麻酔からさめてきます。

名前の呼びかけに対して目を開けたり、指示により手を握ったり離したりできるようになってから気管チューブを抜きます。意識の回復には個人差がありますが、通常、麻酔により永遠に覚醒できないことはありません。

アブレーション治療のその後

・半年以上の期間で術後再発がない場合

術後2年間は当院の外来に通院していただき、再発の有無は確認します。術後半年後を目安に、抗凝固を続けるかを判断します。現在のところ、残念ながら明確な中止基準は存在しません。ただし、CHADS2スコアを用いて、脳梗塞リスクが低いと判断される方には漫然と抗凝固療法を続けることは、出血リスクを上げると報告があります。再発がなく、脳梗塞リスクが低いと判断した方にはできるだけ早期に抗凝固療法は中止するようにしております。


・比較的短期間で再発してしまう場合

3ヶ月以内は通電部位の炎症などで心房が興奮しやすく、再発が起こりやすいとされています。その再発は本当の再発とは切り離されて考えられていますが、やはり早期再発も少ない方が好ましいとする報告もあります。そのために早期再発があると、抗不整脈薬を投与することがあります。各々の患者さんに合わせて処方いたしております。

アブレーションの代表的な合併症

アブレーション治療の安全性は確立されています。しかし、まれに合併症が存在することも事実です。これらを避けるように最大限の努力を行なっております。主な合併症の内容と対策方法をご紹介させていただきます。
心タンポナーデ
fusei_13 心内膜側からカテーテルを当てて通電しますが、その力が強すぎると心房に亀裂が入ります。裂孔小さくても、心外膜とのスペース(心嚢腔)に出血し、心臓が拡張不十分(心タンポナーデ)になります。この状況に陥ると、心窩部(みぞおち)から血液を出すためのカテーテルが必要になります。統計では1%未満の死亡率が報告されています。心タンポナーデを予防するために、コンタクトフォースカテーテルを使用しております。
左房食道瘻
img_fusei-10 左心房の裏は食道が通過していますが、食道近辺を過度に通電すると熱で食道がただれることがあります。その潰瘍が大きく進展すると左房と食道が交通し、消化管出血や、左房血栓・疣贅による脳梗塞を起こし、一度発症すると約70%の死亡率が報告されています。その予防のため、食道の温度センサーを挿入して、温度をリアルタイムで監視しています。また術前から術後1ヶ月程度は、ボノプラゾン(タケキャブ®)を内服していただきます。退院されて1週間内に原因不明の発熱を認められた時は、必ず来院してください。
大動脈損傷
 心房中隔穿刺の際に場所を見間違うと、大動脈を傷つける可能性があります。安全のために心腔内エコーを用いて穿刺針の位置を確認します。事前のCTも解剖情報のために必要です。
気胸
fusei_15 鎖骨下静脈穿刺の際に起こります。鎖骨下静脈は肺が近くにあるために深く入りすぎると、肺がパンクして気胸を起こします。穿刺困難な場合はメルクマール法や造影参照をしますが、それでも無理な場合は内頸静脈穿刺に切り替えます。
横隔神経麻痺
img_fusei-11 右肺静脈隔離、上大静脈−右房間隔離でまれに見受けられます。多くは一過性ですが、術後に麺類が食べづらくなることが知られています。そのため翌日のレントゲンでその有無を確認します。対策としては通電ジュール数を同部位では下げて対処しています。
血管損傷
img_fusei-12 通常は動静脈ともに圧迫止血で問題もありませんが、時々止血困難なケースに遭遇します。特に大腿動脈穿刺後に圧迫不完全で再出血し、術後に手術が必要になることもあります。この予防のため、エコーガイド下穿刺を実施しております。

チームで行う不整脈治療

現在アブレーションは医師のみではなく、臨床工学士、臨床検査技師、診療放射線技師、看護師を合わせたチーム医療になっています。特に臨床工学士は重要な役割を担っています。またそのサポートのためにも、院内立入許可を与えた外部の業者(メーカー・代理店)が立ち会います。

動悸がある方や不整脈が疑われる方は、お気軽に不整脈外来にご相談いただければ、カテーテルアブレーション治療の適応評価も含めて適切に対応いたします。星ヶ丘医療センターの循環器内科をよろしくお願い申し上げます。

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